ビートルズ時代のジョンの傑作

命日をとうの昔に過ぎて恐縮ですが、ジョン・レノンビートルズ時代の傑作について考えて見ました。
ご承知のように、私はコテコテのポール・ファンではありますが、素直に「ジョンってすごいなぁ」と思うことも多々あります。特にビートルズ時代はそう。
俗にビートルズ初期・中期・後期というくくりは、すべてジョンの作品が基点になっています。初期はブリル・ビルディング系の親しみやすいポップス、中期は「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」「アイ・アム・ザ・ウォルラス」「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」などに代表されるアバンギャルド時代、後期は「カム・トゥゲザー」「ドント・レット・ミー・ダウン」など成熟とニュー・ロック的展開というように。
ポールは確かに名曲を書いていた(ずっと変わらぬ高い質を保っていた)けれども、結局活動の節目はジョンがカギだったというだけでもすごいわけですが。
さて、ジョンの傑作。パッと思いついたのが4曲くらい。

A Hard Day's Night

A Hard Day's Night

「恋する二人」
聴くたびに「よくできた曲だなぁ」と思う初期の胸キュン・ナンバー。ムダのない展開、美しいハーモニー、せつないメロと完璧なポップ。幼稚園の頃よく口ずさんでたっけ。
同邦題名異曲でニック・ロウの「Cruel To Be Kind」もGood。
Rubber Soul

Rubber Soul

「イン・マイ・ライフ」
この魅力はやはりたまりません。多くの人が傑作として取り上げる名曲。「恋する二人」がブリル・ビルディング系のアメリカン・ポップス調の傑作とすれば、この曲は絶対に英国出身でないと出そうもない曲。
後に、ジョンはインタビューでポールの曲について「あれはオレが手伝った」「あの部分はオレの作だ」とか散々しゃしゃり出る一方、ポールはジョンの曲についてはその手のコメントをしなかったのですが、珍しく「イン・マイ・ライフ」については「ほとんど自分が書いた」と主張し続けた曲。でもこれはどう聴いてもジョンの作品ですね。
中間部の印象的なピアノ・ソロはジョージ・マーティンがスピードを落として演奏し、テンポアップして再生したことは有名ですが、これがあるかないかで随分曲の印象も変わっただろなと思います。
Yellow Submarine Songtrack

Yellow Submarine Songtrack

「ヘイ・ブルドッグ
リミックスがあまり好きでない私でも、「イエロー・サブマリン・ソングブック」は愛聴。で、「ヘイ・ブルドッグ」ですよ。オリジナル・アルバムでも何か物足りないポールやジョージの曲の中で、この曲1曲のために買う価値がありました。ポールとのハモリもナイス!
ところでフォーリーブスの「ブルドッグ」は絶対この曲にインスパイヤ(「ア」じゃなくて「ヤ」ね)されてると思う。
ザ・ビートルズ

ザ・ビートルズ

「ハピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」
曲展開からいって、絶対この時期のジョンはイッちゃってると思います。そういえばこの時期録音された「アクロス・ジ・ユニヴァース」のオリジナル・ヴァージョン(鳥の羽音ヴァージョン、「パスト・マスターズ2」収録)も好きですね。