イーグルス、来日してんのね。

vivelerock2004-10-29

雑誌「ストレンジ・デイズ」と「レコード・コレクターズ」を買いました。
いろいろ書きたいことがあるのですが、今日はとりあえずイーグルスについて。

現在来日中ですが、今まであまり深く考えていなかったことについて
書かれていた評論があったので、ちょっと関心を持ちました。
名盤「ホテル・カリフォルニア」はイーグルスギター侍のように
独立200年に浮かれポンチだったアメリカを斬る、というコンセプトで
あったことは知られていますが、実は「スピリット(酒・魂)は69年から
切らしています」というアメリカへの刃はバンド自身にも向けられていたのだと
いうこと。確かにそうでなければ何となく説教臭いだけの内容になりそうな
このアルバムの主張が切実感を伴うわけがないわけです。

で、このバンドの終焉をもっとストレートに示したのが「ニュー・キッド・
イン・タウン」で、この「ニュー・キッド」とはホール&オーツであったことも
よく知られていますが、これって結局「このままじゃオレたちゃあいつらに
置いてけぼりにされる」という危機感と失望感だったんですね。

ここでイーグルスホール&オーツを取り上げたことが実に興味深い。
というのはこのアルバムの出た76年ってホール&オーツは確かに「サラ・スマイル」
とか「リッチ・ガール」のヒットはあったものの、あの80年代の快進撃は
この時点で想像つかなかったと思うんです。実際「キッス・オン・マイ・リスト」
からの彼らの音楽性はそれまでとかなり違った感触ですし、当時はブルー・
アイド・ソウルとして、フィラデルフィア・マナーを踏襲しながらちょっと
モダンさをふりかけたくらいの、新しいサウンドという感じではなかったことを
思うと、76年にホール&オーツを「ニュー・キッド」として脅威に感じたという
イーグルスの先見を私は感じるのです。

サラ・スマイル

サラ・スマイル

さらにおもしろいのは、「ニュー・キッド」を歌ったグレン・フライ
ソロ作では確かにホール&オーツ的な志向(つまりR&B)を強めていること。
元々確かデトロイトかどっかの出身だったので、彼の根本にある音楽だったのでしょう。
それがホール&オーツに改めて触発された、といってもそうそう外れてはいないのかなと。

ブリティッシュ派の私としては、そこまでイーグルスを聞き込んでいるわけでは
ありませんが、こんなふうにいろいろドラマを感じさせてくれるバンドは音楽性とは
別個で好きですね。