こういう本って入門書にもなり得ない

ドラッカー 365の金言

ドラッカー 365の金言

経営論の大家、ピーター・ドラッカーが先日亡くなり、それに便乗したかのような本。おそらく「週刊ダイヤモンド」連載の「3分間ドラッカー」からの抜粋かと思いますが、あの記事も含めて、もともと長い文章の一部を切り取って「ドラッカーがどうのこうの」とか「マネジメントとは」などと語らせようということ自体に無理がある。
ドラッカーの翻訳は、上田惇生氏がなぜか日本で独占的に担当しているが(公私での付き合いがあったためらしい)、正直いえばこの人、本当にドラッカーを理解している人かなぁなどと以前から不信感あり。
このような雑な本を、しかも死後に作ってしまうあたり、とても「愛のない」ドラッカーの「イタコ」だなぁと思うのですが。
松下幸之助氏もPHPにより断片的な発言録が数多く出されていますが、あれとはかなり違いますね。松下イズムを実践として受け継いだメンバーが監修する本と、単に交友関係で垂れ流し的に作る本では随分意味合いが違うと思われ。
同じダイヤモンドから出た抜粋・抄録本でも、
世界で最も偉大な経営者 (世界標準の知識 ザ・ビジネス)

世界で最も偉大な経営者 (世界標準の知識 ザ・ビジネス)

これは力作。こっちは今ひとつ。