体育会系の音楽

80年代はいろんな種類の音楽が満ち溢れた時期だったので、たとえばオシャレ系だとスタイル・カウンシルスウィング・アウト・シスター、ワーキング・ウィークだとか、文学系だとスザンヌ・ヴェガコクトー・ツィンズ、耽美派ならデヴィッド・シルヴィアンやキュアーだとかまあ系統というものが細分化された時代でした。
さて、今日は体育の日。「体育系」の音楽というのを考えてみました。
しかしですよ、もともと音楽って文化系に属するもので、高校・大学では「軽音楽部」「ブラスバンド部」なんぞは文科系クラブの花形なもんですから、「体育会系」音楽というのはそもそも矛盾してるわけですよ。それでも考えてみようという無謀な企画です。
私自身中学・高校時代は陸上部員だったので、体育会系(だと自分では思っている)でした。陸上部といえば当時「聖歌」とされていたのが、爆風スランプの「Runner」ではないかと。

SINGLES

SINGLES

いまだにこの曲を聴くと胸がキュンとなります。名曲です。「大きな玉ねぎの下で」などもよく聴きましたね。他にはジャクソン・ブラウンの「孤独のランナー」というのもあります。
孤独なランナー

孤独なランナー

ただこれはいかにも西海岸なのほほんとした曲なので、青春時代に私にはフィットしませんでした。

ほかにはパッと思いついたのが、なぜかトゥイステッド・シスター。「ウィア・ナット・ゴナ・テイク・イット」や「リーダー・オブ・ザ・パック」とかバカっぽいノリがスカッとします。

Stay Hungry

Stay Hungry

ディー・スナイダーはインタビューではすごいいい人でしたが、どうしてるんでしょうね。

それからTOTOの「アイソレーション」。

Isolation

Isolation

大ヒット「聖なる剣」の後のわりにえらく地味なヒットで終わった作品。私はリアルタイムではこのアルバムが最初だったので、結構思い入れがあるアルバムなんですが、当時のTOTOとしては非常にハードな作品でした。
で、なんでこのアルバムが体育会系かというと、ヴォーカルがボビー・キンボール(金玉ではない)からファーギー・フレデクセンに代わったから。この人は体操競技の選手だったんですね。当時のインタビューで、そのことばかりが喧伝され、いまだにTOTOのヴォーカリスト史の中ではミシェル・バイロン並みに無視された存在になってます(ファーギーはこの1作で脱退)。

そういえばずばりタイトルの作品もありますね。

Sports

Sports

タイトルの由来はよくわかりませんが、収録曲は妙にアッパーなあの時代そのもののものが多く、いいアルバムです。

うーん、やはり意外と思いつきませんね。逆に非体育会系というか、汗のにおいがまったくしないアルバムを思い出しました。

Valotte

Valotte

当時20代で、しかもデビュー作とは思えないくらいの老成ぶり。プロデュースはビリー・ジョエル以外まともなヒット作のないフィル・ラモーンですが、ジョン・レノンを意識するあまり、結果的にこんなもったいぶったアルバムを作らせたフィルの責任は大きいと思われ。
ジュリアン次作「デイドリームの街で」であっさり売れなくなりますが、当然といえば当然か。もっと若々しい作品を作れば良かったのに。