82年のミュージック・ライフ誌

中古本屋にあってので立ち読みしてみました。表紙はジャパン。来日前特集号でした。
ちょうど年間人気投票の発表号で、見てみるとクィーンとホール&オーツがバンド部門で圧勝。ポリスがずーっと下に落ちており、当時の同誌の傾向がよくわかる(w。東郷かおる子編集長が好きだったんですよね、どっちのアーティストも。当時はまだまだMTVも普及してなかったし、情報が限られていたから、ロンドンとニューヨークに派遣記者のいた同誌はなんだかんだいっても貴重な存在だったんです。

で、同誌はアルバム・レビューも充実していて、この号の推薦盤がフィル・コリンズの「心の扉」。シングル・レビューではホール&オーツの「マンイーター」がトップ。このシングル・レビューが私は大好きでして、毎月何名かの評論家が交替でレビュー投票に参加するんですが、その中に福田一郎さんという方がおりまして(残念ながら数年前逝去)、この方のレビューが圧倒的におもしろかった。

「つまんない」「前のシングルよりマシ」「たぶん売れるんだろうな、私は興味ないが」などなど、すばらしくシンプルかつアグレッシヴなコメントがビシバシと出るんです。ほんとに私生活で何かあったのか攻撃的で、レコード会社なんぞ知るか、という姿勢は素直に好感を持ちました。当時は前述のように情報もレコード会社経由のため、しがらみは今以上にあったでしょうし、評論家は新作のライナーを書くくらいしか仕事もそんなになかった時代なはずなので、余計に彼のスタンスはすごいなぁと思ったものです。

惜しむらくは、福田氏の好みの基準が、読者にはちっともわからなかった点でしょうか・・・。

それはそうと、福田氏は晩年、あのモーニング娘。の結成にもかかわっていた(南米のメヌードのように、メンバーが入れ替わるユニットを提案した)そうです。お亡くなりになったのが残念。