No.6「ミズリー」

vivelerock2005-06-12

アルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」には思い出というか、恨みがある。
8歳上の兄の影響で、すでに幼稚園の頃からビートルズに親しんだ私は、中学生になると自分でアルバムを買うようになった。
兄はなかなか賢い消費者で、当時アナログで英盤・米盤・日本盤と発売されていたなかから、いかに重複を少なく、より多くの曲を手に入れるかに執心しており、その結果、以下のような買い方をしていた。75年頃のことである。

<英盤>

  • A hard day's night
  • Rubber soul
  • Revolver
  • Oldies
  • Sgt.Peppers
  • White album
  • Abby road
  • Let it be

<米盤>

つまり、初期は米編集盤で揃えていたわけで、初期シングルのB面曲は当時米編集盤で集めるのが一番賢かったわけ。

さて、上記のリストを見てもわかるように、不思議なことに兄は「プリーズ・プリーズ・ミー」を買ってなかった。理由はよくわからなかったんですが、兄の好みは後期だったので後回しにされたのでしょう。

そこで中学生の私は「プリーズ」を買いにレコード店へ。ところがそこには「プリーズ」はなく、気分的に「とにかく欲しい、欲しいぞぉ」モードになっていた私は米編集盤の「アーリー・ビートルズ」を購入。

すでにご存知の方も多いように、このアルバムは英盤「プリーズ」から「ゼアズ・ア・プレイス」と「ミズリー」を抜いたわけわからん編集盤でして、これはビートルズアメリカで、キャピトル以外のマイナー・レーベルとの契約でしか発売できなかった経緯などがあったためのよう。

それでも初めて買ったビートルズのアルバム、それは愛着がありました。しかし「ミズリー」と「ゼアズ・ア・プレイス」が入っていないことへの苛立ちは日に日に増していきました。

この2曲に出会ったのは、数年後結局レンタルで米編集盤「レアリティーズ」を借りてから。「ゼアズ・ア・プレイス」同様、なんでこんないい曲が外されたんだと、当時事情を知らない私は腹が立ったものです。

「ミズリー」はへレン・シャピロに贈る予定だった曲らしく、ガールズ・ポップ系のかわいい曲。随所に入るジョージ・マーティンのピアノがすばらしく効果的。

さて、「アーリー・ビートルズ」で痛い目にあった私は、その後兄の抜けているリストを正確に埋めるべく、順当に「ヘルプ」と「イエロー・サブマリン」を購入。
しかし、東芝EMIのド腐れ戦略に負けて、「ビートルズ・イン・イタリー」(このタイトル見れば絶対ライヴ盤だと思うよなぁ)というへタレ編集盤にだまされたりもしてました。

それにしても、米編集盤は絶対にCD化されない(海賊盤では出ている)と思っていただけに、現在の状況はなんとも複雑。


「アーリー・ビートルズ」がCDで出たら、やっぱり買ってしまうかもしれん。