ビリー・ジョエル「コールド・スプリング・ハーバー」

Cold Spring Harbor

Cold Spring Harbor

ビリー・ジョエルがスーパースターになってから再発された幻の1stソロ。ピッチが高いので、ビリーの声がミッキーマウス状態なのが難ですが、曲はいいです。
このアルバムは再発される際、結構編集されたりしたようで、輸入盤でオリジナルのものが出ているようです。
Cold Spring Harbor

Cold Spring Harbor

個人的には実は「ソングス・イン・ジ・アティック」に次ぐ大好きな盤なんですが(そういえばこのライヴ盤にも「コールド〜」の曲が3曲収録)、個性が発揮されているとは言いがたい単なる良いメロディーの曲とはいえ、不遇時代のビリーが必死になっているところがうかがえて、それが何とも愛おしいのです。
このアルバムとの出会いは中学3年の頃だから、85年頃ですね。レンタル・レコード屋(これも懐かしい)から借りて、友達の家のプレイヤーでかけて聴いたのが妙に覚えています。多感な時期だっただけに、シンプルなアレンジに乗った繊細ともいえるメロディー(後のビリーはもっと大胆にポップだったりする)が心にしみた。
曲では小品「ホワイ・ジュディ・ホワイ」(珍しくアコギ主体のアレンジ)、とにかく泣かせる「トゥモロウ・イズ・トゥデイ」、インストの「ノクターン」、寂寥感あふれるラストの「ガット・トゥ・ビギン・アゲイン」が良い。後に「ソングス〜」でライヴ・ヴァージョンがシングルカットされた「シーズ・ガット・ア・ウェイ」は歌詞にしびれましたね。
またB面トップの「ターン・アラウンド」あたりは後のアルバム「ストレンジャー」のプロトタイプのような曲になっています。ポップな「ユー・キャン・メイク・ミー・フリー」「ユー・ルック・ソー・グッド・トゥ・ミー」「エヴリバディ・ラヴズ・ユー・ナウ」もどこか寂しげでいい。
ほら、ほぼ全曲いいでしょ?
Songs in the Attic

Songs in the Attic

「ソングス・イン・ジ・アティック」についてはこれまた思い出が多いので、別の機会に。
それにしてもこの手の「幻の1st」は、やはりそれなりに後の大成が窺えるのがおもしろいですね。ブライアン・アダムスもそういうパターンでした。
ギヴ・ミー・ユア・ラヴ

ギヴ・ミー・ユア・ラヴ