景気は良くなってる?

というような論調が年末の株式市況からの状況もあって強くなっていますが、景気は決して良くなってないですって。上場企業の業績回復・株価上昇はあくまでこれまでの収支構造・ビジネス構造の転換によるものであって、かつてのように上場企業の「売上増」が中小企業に「余剰利益」を流している構図とは違うわけです。また正社員と非正社員の構成比が大幅に変わっている以上、消費増による回復モードでもない。
そういう意味では、今の景気回復状況と言われるものは、これまでの日本が歴史上経験していないシーンだといえます(ドラッカーの「ネクスト・ソサエティ」での指摘通りですね)。で、これも多分過渡的なもので、ここから本格的な回復基調に行くか、逆に勝ち組・負け組の二極化の矛盾がまた下落方向に振れるか、細かい調整局面が数年続いて停滞状況に至るか(私は個人的にはコレだと思う)どれになっても不思議ではないと思われ。
だから景気回復の成果をうたう自民党が日銀の金利引き上げなどに懸念(圧力ともいう)を示しているというおかしなことがあるわけですが、実は金融政策だけがこの局面をどうこうするとはとても思えません。
今後のカギはむしろ税制と社会保障。パッチワーク的に税金や保険額を引き上げるやり方ではまた間違いなくデフレ・モードになると思うんですが。
話は変わって、構造計算書偽造問題。これ絶対景気にも波及する部分が出てくるはず、と踏んでいましたが、その手の方向にマスコミがまったく報道しないのがおかしいなぁと思ってました。年末に不動産投信REIT)への影響を「日経ビジネス」が取り上げていたくらい(この記事はわが意を得たりの内容でした)。