ビーチ・ボーイズ「スティル・クルージン」

Still Crusin

Still Crusin

88年に映画「カクテル」の主題歌として、「グッド・ヴァイブレーション」以来の大ヒットとなった「ココモ」。その人気を当て込んだにしては、ちょっと遅れて翌年に出たのがこのアルバム。
よってコンセプトはよくわからんのですが、映画で使われた曲を中心に編集し、それにちょこちょこと新曲を入れた構成になっています。旧作から「アイ・ゲット・アラウンド」「素敵じゃないか」「カリフォルニア・ガールズ」など60年代の曲が入っているため、コアなファンからは手抜きとされている不幸なアルバム。
私は「ココモ」よりもファット・ボーイズと組んだ「ワイプ・アウト」が好きで、それを目当てにしていたんですが、「ココモ」を始め、新録もなかなかの力作です。プロデューサーのテリー・メルチャーががんばっています。
本作を最後に、およそビーチ・ボーイズとは呼べない作品が二枚出て、カールが逝去、さらにアル・ジャーディンが抜けたので、レコーディング・バンドとしては終わった感がありますが、果たしてブライアン・ウィルソンが再びマイク・ラヴ、ブルース・ジョンストンと合流し、アルが再加入する・・・なんてことはないんでしょうね。