マクドナルドの低価格戦略

以前マックはハンバーガー1個59円だったときがあって、そのときも結局客数は増えたけど売上は落ちた。


売上は「客数×客単価」のレバレッジ(テコ)だから、客単価の低下をカバーするほど客数が増えないと売上は落ちる。単価が単価だから、客数が20%程度増えたところで話にならない。


で、今回の100円マック。案の定というか客数は増えたが売上は落ちた。本社は「客数を増やしてシェアを取ることが目的」と言ってるそうだが、第三者から見てもおかしいと思ったのは、前の59円バーガーの失敗があったから。


天下のマックともあろう会社が以前の失敗に学ばなかったはずはない。確かに今回はヴァリューセットである程度の客単価対策を打っていたようにもあるけれども、どうやらこの100円マックは、米国本社の強い意向であったことが週刊ダイヤモンド誌に載っていた。


どうも米国本社に対して、売上目標のコミットメントがあって、それを実現するために利益を落としてでも売上を増やす策として100円マックがあったのだそう。で、結果的には売上も落ちたわけ。


しかしダイヤモンドにも書かれていたように、現場はたまんない。忙しさは増しているのに売上は増えないのでは疲労感だけが残る。もっとたまんないのはFCのオーナー。もともとマックは直営店が多いが、FCもある。100円マックは粗利ベースで間違いなく利益率は落ちる上、売上も落ちるわけだからそりゃ文句の一つも言いたくなるわな。


アメリカの日本市場音痴は今に始まったことじゃないし、最近でもかのウォルマートですら失敗してるのに、日本法人もちっとはがんばってもらいたいものです。