M&A関連用語集〜ライヴドア対フジテレビ、次の手は

もういい加減飽き飽きしてますが、M&A関連の勉強にはなりますね。
そこで今回は用語集をまとめてみました。


買収側の戦略用語
アービトラージ・・・買収を仕掛け、買い占めた株を第三者に売りつけたり、その会社に引き取らせたりすること。当初ライヴドアのバックに外資のリーマンがいたことからこれが勘繰られた。


②グリーン・メール・・・会社の発行済株式総数の5%超を買占め、その取得した株式を「プレミアム(上乗せ)をつけて買い取らないと会社を買収するぞ」と脅し、その会社に高値で引取りを迫ること。


③テイク・オーバー・ビット(TOB)・・・株式公開買付制度。主に経営権を支配するため、株式の買取業者(ファンドなど)が買い付け期間、株数、価格を公表して不特定多数の株主から買い取る方式。つまり「うちはあそこを買収しまっせ〜経営権取りまっせ〜」と宣言すること。フジの場合はグループ統合が目的だった。それにしても現在の株価よりも安いTOB価格で売った株主(特に企業)は自社に損害を与えていることになるんだが。トヨタは断ったらしい。さすがだね。


④ベア・ハッグ・・・買収をしたいと考えている会社の取締役会に対して、指定した価格でその会社の株式を取得したい旨を書面で申し入れること。断られた場合はTOBへ移行するという脅しを与える。


買収される側の対抗戦略用語
クラウン・ジュエル・・・買収される側の会社の魅力的な資産のこと。これを売っ払えば、買収のメリットがなくなる。買収した側がその資産を買い取って、被買収会社を魅力のないものにすることも(ライバルに買収から手を引かせるため)。たとえばニッポン放送がスタジオをフジに売り払ってしまい、ライヴドアが経営権取ってもスタジオを使わせない、なんてことができる。ライヴドアが手を引けば、フジがニッポン放送にスタジオを賃貸で貸すか、再び買い戻させるといった手がある。


②ゴールデン・パラシュート・・・買収を仕掛けられた会社の経営陣が巨額な退職金などをもらって経営権を引き渡すこと。これによって財務状態を悪化させるため買収予防となる。逆に買収側が現経営陣に金銭的便宜を図るために利用することも。年金を利用すると「ゴールデン・ペンション」という。


③シャーク・リペルメント・・・買収される側の会社が例えば定款に「合併には株主75%以上の賛成を必要とする」などの条項を入れておき、買収を未然に防ぐこと。


パックマン・ディフェンス・・・買収を仕掛けられた会社が逆にその会社の買収を仕掛けること。テレビゲームの「パックマン」がその由来。つまりフジの場合、現金資産はライブドアよりあったはずだからそういう反撃策もあったはず。


ポイズン・ピル・・・買収する側の会社に不利益となるような措置をあらかじめとっておくこと。


⑥ホワイト・ナイト・・・買収を仕掛けられた会社が、友好的な会社に買収を依頼すること。逆に買収側につくのを「ブラック・ナイト」と呼ぶ。